mijicaユーザーとして続報を待ち続けた「ゆうちょ銀行の新しいデビットカード」について,ようやく続報が出たので繰り返し読んでいますが,導入で変わることが数多くあるようで,ブログを書きつつ考えを整理しています。
とりあえず「ゆうちょデビット」は導入する予定です。
雑感
mijicaの終了告知で触れられた「新しいデビットカード」について,ゆうちょ銀行からようやく続報が出た。
mijicaのVisaプリペイド機能と残高オートチャージ機能を,統一して一つのVisaデビット機能として既存のキャッシュカードに統合する形で提供されるらしい。
長いこと待ち続けた吉報……ということで早速契約した。
実店舗で何回か使ってみたが,ネット銀行のデビットカードで支払う体験がそのままゆうちょ銀行の口座でも再現されたといった具合で,ブランドデビットの普及に果たす効果はかなり大きいように感じる。*1
その中で,ゆうちょデビットの登場で立ち位置が見直されそうなものもあるな……と思い至る。
既存のもの……Suica搭載キャッシュカードやJP BANK カードとの競合だ。
VisaデビットとSuicaの競合
以前,自分はSuica付きキャッシュカードを利用していた。
ゆうちょデビットはSuicaを搭載しないので,以前のキャッシュカードに搭載されたSuicaは,何の情報引き継ぎもなく,キャッシュカードとともに使用停止となった。
既にモバイルSuicaが普及しているのでそこにゆうちょデビットを紐付ければ良く,わざわざデビットカードそのものにSuicaを搭載するメリットは低い……という判断だろうか?
キャッシュカードにデビット機能と電子マネーを同時に搭載する例は先例がある。
例えばイオン銀行が発行するすべてのキャッシュカードにはWAONが搭載されるが,それはデビットカードでも徹底されている。
セブン銀行デビットカードでは,カードに登録するnanacoをカードに組み込むか,既存のnanacoをペアリングして使い続けるか,のどちらかを選択できる。
イオン銀行とは別の形で,一体感を持たせようとしている。
ゆうちょデビットとJP BANK カードの競合
直近で契約する予定はないが,将来クレジットカードを契約する際に「ゆうちょデビット」を利用しているか否かが影響するのも見過ごせない。
「ゆうちょデビット」はキャッシュカード一体型で,同じく一体型であるクレジットカード「JP BANK カード」と同時に持つことはできない。
一つの口座で、JP BANK カード(キャッシュカード一体型)とゆうちょデビットの両方をお持ちいただくことはできません。
すでにキャッシュカード一体型JP BANK カードを利用している場合はゆうちょデビットを契約できず,また先にゆうちょデビットを利用している場合は,後から申し込むJP BANK カードはキャッシュカード一体型を選べず,クレジット単体型のみ選べる。*2
申し込みページのポップアップでは,下記の但し書きがある。
クレジット機能のみのカードがほしい方※JCBブランドおよびALenteは対象外です。
30歳未満向けカードAlente(Visa)とEXTAGE(JCB)にはクレジット単体型の設定がない。
また一般カードやゴールドカードについても,クレジット単体型の設定はVisaかMasterCardのみとなっており,JCBは選択できない。
VISA/Mastercardはキャッシュカード機能なしのカード(クレジットカード単体型)もございます。
なお「VISAとMastercardのみ」という構成は,先に発表された「楽天カード ゆうちょ銀行デザイン」と同じだ。
楽天カードと他銀行のコラボカードは「楽天カード みちのく銀行デザイン」でも見られるが,自分の知っている金融機関*3が2つも同じところにいるのはなかなか驚きだ。
ただ(みちのく銀行の時と同様に)気になるのは「既存のカード部門と楽天カードは同居できるのか?」という点だ。
楽天カードの利用者特典が厚いこともそうだが,そもそもデビット契約でJP BANK カードのブランド選択に制限がかかっている状態で,わざわざJP BANK カードを選ぶだろうか?
ゆうちょデビットが登場した今,30歳未満向けへのカード営業の主力は,これまでのAlente・EXTAGEからゆうちょデビットに移るだろうし,後からクレジットカードを契約するにしても,楽天カードのコラボデザインが選ばれていくだろう。
大学会館で毎日見たJP BANK カードの営業の光景も,じきに変化するか……
最後に
職場の都合でメインバンクを移してしまったので,ゆうちょ銀行は第一線を退いている。
窓口に通える時間も限られており,ゆうちょダイレクトで管理できない定額貯金の口座を解約しつつ,ゆうちょデビット経由で総合口座を時々使う予定だ。
現住所でも実家でも,地方銀行におけるブランドデビットカードの普及が進む中で,各行の営業エリアを気にせず使えるデビットカードとして,ゆるくゆうちょデビットを使っていきたい。
*1:普及の第一歩たる「存在を知ってもらう」点についてゆうちょ銀行は他のネット銀行よりも有利
*2:なお同様の事例について、例えば他行ではあとから導入したデビットカードをキャッシュカードに統合せず,クレジットカードはキャッシュカード一体型とする姿勢との両立を図る策が採られる。